2007年05月27日

宿主

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置き去りにしないでね。


金曜日の夜遅く、彼のお腹が壊れた。
「トイレは外でしかしない」と決めているらしい彼も、お腹が壊れたときだけは、我慢しきれずに家でするのだ。
トイレシートとは全く別の場所で、ソレは突然始まった。
ペースト状になった便が、勢いよく飛び出したのだ。

それから2〜3時間の間隔で、朝になるまでソレが続いた。
彼は落ち着かない様子でソワソワと動き回り、そしてグッタリと伸びている状態を繰り返す。
私も彼も、とうとうあまり眠れないまま朝を迎えた。

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水平に飛び出す便に対応して、トイレスペースを改良。


土曜日の朝、動物病院が開くのを待ってすぐに診察して戴いた。
出掛ける前にフローリングでしてしまったモノを回収して持参した。
先生は持参したものをすぐに分析機にかけ、分析が済むまでの間に診察をした。
熱は無い。
昨日食べた物は?
嘔吐はあったか……どんな感じで始まったのか……どのくらいの回数・分量だったか……。
………彼が病院のお世話になるのは、決まって「お腹を壊しました…」ということなので、先生も「また何か…余計なモノを食べたのでは?」という疑いが一番にあったのだろう。
前日にはドライフードの他には、小さなジャーキー1つとキウイフルーツを少々……牛乳も飲ませたがコレは秘密。
「おやつは辞めましょう、フードだけにしましょう…って毎回言ってるのに……」と、毎回のお説教をされた。

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金曜の夜の彼は、こんな状態だった。


分析の結果が出た。
奥の部屋に呼ばれ、顕微鏡を見せられる。
「犬鞭虫の卵がありました」……と言われる。
顕微鏡のレンズの先に、レモンの様なカタチをした卵があった。

犬鞭虫はイヌの代表的な寄生虫の1つで、イヌの腸内に寄生して腸壁に取り憑き栄養と血液を吸収して生き続ける。
寄生されると確実に下痢をするが、放置し続けるとやがては栄養失調や貧血になり、命に関わる寄生虫だ。
便と共に体外に出て、経口で次の宿主に移住して繁殖する。
現在一般的には、宿主となったイヌの飼い主が放置した糞から広まってしまうのだそうだ。
放置した場所が土の上だったりすると、この寄生虫は土壌へと移動して土の中で繁殖する。
そうなると土のニオイを嗅いだり舐めたり、その土に生えている草を口に入れたりしただけで感染するのだそうだ。
また、放置されて乾燥した糞は粉末となり、この寄生虫の卵を含んだまま飛散する。
飛散したものが付着した草からも、次の宿主に寄生するのだ。
……一度汚染された土壌は、土を入れ替えない限りは安全な状態にはならない。
寄生虫の中でも最もしぶとく、最も質が悪いのだ…と説明された。

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「この住所だと、家はどの辺りなの?」と質問される。
おおよその位置を説明すると、先生は「あぁ………」と頷いた。
「幼稚園があって、その隣りに空き地みたいな広場があるでしょう? お宅の辺りの住所で、その広場で遊んだりお散歩したりしてる子が、同じ寄生虫で来てますよ……。あの広場はイヌも好きだし、リードを外したりしている子も多いですよね。」
………この広場には時折しか入らないが、広場と幼稚園の間に設置された、未舗装の抜け道は夕方散歩の行き帰りに通る道だ。
「コースを変えてください。その広場の辺りの土が危険です。」

広場も抜け道も、下が土で雑草が生い茂っている。
彼を含めて、イヌなら喜んで歩きたがる環境だ。
ここに無責任に放置された糞が原因で、広場全体が危険地帯になってしまったのだ。

下痢止めの注射を打たれ、虫下しの薬を投与されて診察は終わった。
薬は卵には効かないので、卵が孵った頃に再投与が必要なのだそうだ。
「駆除が終了するまでは、糞を速やかに確実に回収してきっちり処分してください。」という注意を受ける。
………そうでなくても、それは当たり前にしていることだ。
当たり前のそういうことが、ちゃんと出来ていない飼い主のお陰でこの様な事態になってしまったのだが。

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実は、出掛ける約束の日だった。


本当ならば、この日はシュナウザーが集まる小さな会合に出席する予定だった。
いつもの下痢ならば、病院で注射をされれば劇的に回復する。
だから出席できる様な支度をして病院に行ったのだ。
しかし、事態が事態なので急遽キャンセル。
発症が半日遅れていたら、出席した他のみなさまに多大なご迷惑をおかけしてしまうところだった。
帰宅して彼の首輪を外す。

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首輪を掛けてある場所には、
彼の首輪が全て揃って並んでしまった。


トイレとベッドだけのスペースに、彼を閉じこめて過ごした。
動物病院に出掛ける辺りから、元気を回復していた彼は閉じこめられたことが納得できない。
時折眠りから覚めては、「出して欲しい」とアピールして来る。
注射が効いたので、やはりもうトイレは使わなかった。

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朝ご飯が抜きだったので、よほどお腹が減っていたのだろう。
晩ご飯は通常の1日分の1/4。
皿にあける以前に鼻を鳴らして喜んでいた。


「明日も来てね」と言われていたので、今日も病院に行った。

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下痢が止まったことを確認した上で、もう1度同じ注射を打つ。
それからフィラリアのお薬のための血液検査をした。
彼の血液は健康そのもの。
そして先生から新たに提案をされる。
「虫下しのお薬をもう1回…と昨日は言いましたが、どうでしょう……フィラリアのお薬を去年のものより1ランク上にして、イヌの代表的な寄生虫の駆除もできるタイプのものに変えませんか? 今回の伝染の経緯を考えると、再発する恐れが非常に高いです。少し価格が高くなりますが、こちらにしておけば、より安心だと思います。」
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これからの半年間、少し割高のお薬と毎月の糞の分析が彼を守るのだ。


自分が連れているイヌの糞を、回収しないで放置するひとの気持ちなんか全く理解できない。
だが、どう考えても「イヌが出した糞なんて見て見ぬふり、絶対に拾って持ち帰ったりしない」というポリシーを持った飼い主が、近所にも複数存在する様だ。
問題の広場に限らず、朝のお散歩コースではそういう飼い主の選ぶコースと私の選ぶコースが一部重なっているらしく、明かに中型犬以上のものと大型犬のものが毎日新しく放置されているのだ。
どういう神経をしているのだろう。
広場で糞を放置した飼い主に飼われている宿主のイヌは、どうしているのだろうか……。
寄生されれば確実に下痢をするし、金曜の夜の彼の様子を見ても相当に辛そうな状態だ。
下痢をしたくらいでは病院に連れて行ってももらえず、症状がだいぶ悪化するまで放置されるのだろうなぁ…と思う。
すぐに病院に連れて行っていれば、私が先生からされた様な説明を受けるはずだ。
あの説明を聞いて、それでもなお糞を放置するとしたら……。
………宿主となってたイヌのことを考えると、とても可哀想だと思ってしまう。

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病院も注射も別に嫌いじゃないから、彼は待合室でもいつも上機嫌。


ちょっと過激な言い方をして申し訳ないが、ここはひとつ、声を大にして言いたい。
糞を放置する全ての飼い主に神の鉄槌をっ!!
そういうヤツは、是非自分のイヌの糞にまみれて死んで戴きたい
( °Д°)<呪呪呪呪呪呪呪呪呪
出来るならば、柔らかめのソレの上に、
自分のイヌに押し倒されて死んで戴きたい ( ̄ε=‥=з ̄)



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とりあえず、オレは元通りに元気だよ。
全然心配なんかいらないゼ!!
posted by まき at 23:39 | Comment(8) | 獣医さんっ!!
いつもコメントをありがとうございます♪

読み逃げも大歓迎ですが、初めての方やお会いしたコトの無い方のコメントも大歓迎です。

……ただし、SPAMコメントと商用コメントは気付き次第即刻消去させていただきます。



おっかないですね。
無責任で自分勝手でいい加減な飼い主がたくさんいるんですよね。
こういう人は腹の立つことに、注意しても聞く耳持ちません。
特に、明らかに気付くだろ!ってくらい
大き目のウンチが多く路上に見られる気がします。
★★Posted by ぱとりっく at 2007年05月28日 23:42★★



……そうなんです (O.;)
そして、私はまだ放置して行く現場に出会ったことがないので、きっと誰にも会わない時間に出ているんだろうなぁ…と。
何故か目につくのは、小型犬のものではなく…中型犬以上のものだろうなぁ…ということが多いですね。
こちとら小型犬仕様なので、あんなに大きなものは拾って収納するサイズの袋を持ち歩いていませんし…。
★★Posted by まき at 2007年05月29日 01:37★★



初めまして!こんばんは(^^)
シュナウザ−スタイルからきました、ココア(S&P)の飼い主のあさりと申します<(_ _)>

鞭虫ですか・・・聞いたことはあったけどあまり詳しいこと知らなくて^^;
勉強になりました<(_ _)>
Noirくんはもう元気なんですね!良かった(^^)

それと実はお知らせがあってご訪問させていただきました。
もうご存知かもしれませんが、7/8(日)にシュナスタの関東エリアのオフ会を開催することになりました。
もしよろしかったらご参加下さい(^^)
詳細はシュナスタのTOPペ−ジもしくはお知らせのところで確認してくださいね。

突然失礼しました<(_ _)>
★★Posted by あさり at 2007年05月29日 23:33★★



はじめまして!!

私も寄生虫のコトは知識として表面だけ知っていましたが、こうなるまで詳しいコトは何も知りませんでした。
フィラリアと違って、ちゃんと完治すると聞いて安心しました。

Noirはすっかり元気です。
ちょっと痩せすぎちゃったので、体重を増やさなきゃなぁ…と思っているところです。

シュナスタで詳細を確認させて戴きました。
当方は電車で参加になってしまうので、いろいろ調べて検討させていただきます。
お知らせありがとうございました!!
★★Posted by まき at 2007年05月30日 00:07★★



こんばんわー。Noir君元気になってよかったですねー!
糞をそのままにする人うちの近所でもいますよ。
怪しい人がいるけれど、現場を見たことないから何も言えないです、、。一日中下痢するとほんとグッタリして可哀想ですよね、
ギズもこの前、生のキビを盗み食いしてピーピーでギズも私も眠れなくて大変でした!
★★Posted by あけもん at 2007年05月30日 00:52★★



置き去りにする人も、きっと「ホントはいけないコトなんだ」って後ろめたい気持ちがどこかにあるに違いない…と思うんです。
………だからコソコソ、誰にも会わない様に…。
ホントに……拾いたくないなら、イヌを飼うなっ!!…と思うワケです。

下痢はきっとお腹も痛いし脱水症状に近づいて行くし、しかもご飯も抜きになっちゃうし…。
イヌにとっても相当に辛いと思うんですよねぇ。

盗み食い………(^^;)…うちも拾い喰いで下痢したコトが……。
でも、叱られても辞められないらしいですね (^◇^;)
★★Posted by まき at 2007年05月30日 13:05★★



こんばんわ〜
怖い寄生虫だったんですね;
Noir君は大分落ち着いてきたのかな?

ヴァルトも去年疥癬に掛かって気がつくまでに時間が掛かった為、他のワンちゃんに感染したんじゃないかと心配した事があります。
これは皮膚から離れるとすぐに死んでしまう虫だったからまだましだけど、土で増殖しちゃうなんてどうしようもないね。
ワンコは土や草むら大好きだから下手な所は入らないようにしない・・・
早く全快していっぱい遊べるといいね☆
★★Posted by ヴァルトママ at 2007年05月30日 23:17★★



そうなんですぅ……そんな恐いモノが、無造作に落ちている…と思うと、ホントに恐怖です。
新しいお薬は、だからこそ心強いです。
「しつけがなってないっ!!」って言われちゃいそうですけど、せっかくの「超楽しみ」なお散歩で、あまり我慢させたり制御したりしたくないので、草むらにも土にも行かせてあげたい…。

明日、フィラリアのお薬を投薬する日なので、全快は目前です!!
★★Posted by まき at 2007年05月31日 11:40★★



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